四間飛車穴熊 自戦記No.3 対鳥刺し

こんばんわ(#^^#)

 

四間飛車穴熊自戦記シリーズ第3弾です。

 

今までは、持久戦による戦いをお送りしてきましたが、今回は急戦模様の鳥刺しとの対局を振り返っていきます。

持久戦は少ししくじってもまだまだ粘りが利くことも多いですが、急戦相手には一瞬で将棋が終わってしまうことが多く、1手1手をしっかり考えなければなりません。

自分は少し苦手です(^^;

 

 本譜も、序盤からテキトーに指し進めすぎて相当悪くなってしまいました。

反省をしながら振り返っていきます。

 

▲相手の方 vs. △iruka

私は後手(下側)。相手の方は、私の知り合いでR2500くらいで、全国常連の強豪。

振り飛車居飛車も指しこなすオールラウンダーですが、対抗形にするイメージが強いので、今回も対抗形になるだろうと思っていました。

 

15手目

 ▲68銀で相手の作戦が、大方「鳥刺し」となりました。

鳥刺しとは、角道をあけずに『斜め棒銀+引き角』で攻撃態勢をつくる戦法です。

最終的に何やかんや勝てるイメージですが、序盤いつも悪くなる大変厄介な戦法です。

抑え込まれたら終わりなのでなんとか、駒を捌けるような形にしていきたいところですね。

 

20手目

 無難に美濃囲いにすれば問題はありませんが、是非とも今回は四間飛車穴熊で闘いってみたいと思い、強く△92香と勝負。

 

21手目

 早くも▲35歩と仕掛けてきました。こちらも陣形が相当不安定なのでやはり嫌な仕掛けですね。

 

22手目

 よくわからなかったので▲91玉と潜りましたが、あまりいい手ではなかったかもしれないですね。最善は▲32飛(評価値-100互角)。以下①▲34歩、②▲46銀、③▲58金右が考えられますが、1つずつ見ていくと。

①▲34歩(最善)。△同銀▲38飛△43銀▲46銀△91玉▲35銀△82銀▲34銀△同銀▲同飛△71金と進めばほぼ互角だが、穴熊が完成し振り飛車も不満ナシ。

②▲46銀。△42角▲34歩△同銀▲35歩△43銀▲37銀引△54歩▲36銀△91玉と進むと、居飛車が思ったより攻めれず振り飛車やや良し(評価値+250)

③▲58金右。△42角以下、②と同じような進行で振り飛車不満ナシ。

 

 したがって、▲35歩には△32飛と寄るのが振り飛車のセオリー通りで最善手らしいです。

 

36手目

 ▲35歩に対して、本譜は△45銀と出ましたが、これが悪手。ここまでなんとか互角で食いついてきましたが、この手で一気に形勢を損ねてしましました。

 この時点で、振り飛車すでにあまり面白くない展開ですが耐えるなら△43銀と引いておく手。以下、▲26飛△32飛▲36飛△51角で、一歩損で振り飛車がよくはないですが、まだまだここからというところ。(評価値-200互角)

 

本譜は、△45銀▲同銀△同歩▲34歩と進みました。この▲34歩が予想以上に痛くすでに相当振り飛車が劣勢です。


53手目

 ▲34角と打たれたところはほぼ必敗(評価値-1800)。

以下、敗勢のまましばらく進んでいきます。

 

75手目

 相当悪いながらも、決め手を与えないように指し進めた来てこの局面。相手の指した▲35飛があまりよくなく、形勢はほぼ互角に。飛車が無くなると、一気に後手に迫る手がなくなるため、ここは▲35銀と打つ一手でした。

 

その後、70~80手目らへんでは、穴熊に包囲網が作られますが、居飛車側もこれ以上の攻めごまを増やすことができずギリギリ振り飛車が耐えているかという局面。

 

84手目

 ここまで、ギリギリで耐えてきた振り飛車でしたが、ここで指した△43馬が悪手で。▲62成銀とされた局面は、また一気に悪くなってしまいました。

 

89手目

 ▲47歩がまたもや微妙な一手で、形勢接近。ここは、▲44飛として角を一枚取りに行けば先手が勝っていた気がします。

 

91手目

 ここも、▲36飛でなく▲71成銀とすれば、ギリギリではありますが寄せきれていた模様。以下、△同銀▲同金△45馬▲44飛!で、先手が優勢。それ以降は、△62銀▲81金△同飛▲同銀成△同玉▲41飛成と進めば、攻めが切れず先手勝ち模様。

 

97手目 

 ▲同銀成の局面は、穴熊が相当怖い形ですが、1段飛車と45馬が実によく利いており意外と寄らない。この瞬間がチャンスだと思って一気に攻めました。

 

100手目

 △46歩が入り、ついに勝ちが見えてきました。87金~75桂の筋を狙い結構厳しい攻め。対して、▲72角と攻防手を放つも、67歩成~87金~75桂と決めて、質ゴマを取り切り以下勝利。

 

 

【総評】

 序盤で不用意な駒組をしてしまい一気に劣勢に陥り、一時は敗勢まで行きましたが、あきらめずに決め手を与えなかった指し方が功を奏し、無事逆転することができました。終盤は、ギリギリの攻防がとても面白い勝負でした、今回紹介したのはほんの一部の読み筋なので、じっくりと1手1手を味わいながら、棋譜をもう一度も直していただけるともっと楽しめると思います。

 きになる筋がありましたら、コメントなどで聞いてください。お応えできる部分はお応えしていきます。

 

それでは今回はこの辺で。

 

いるか

四間飛車穴熊 自戦記No.2 対銀冠

 こんばんわ(#^^#)

 

四間飛車穴熊自戦記シリーズ第2弾です。

 

前回同様、コメントを残していくのでそれを見ながらコマを進めていただけたら幸いです。基本的に振り飛車側からの家意見を残していきます。

また対局日から若干時間がたっているため、細かい変化や考えていたことは忘れてしまいました。

 

まぁ、細かいことは気にせず、早速行きましょう。

 

 

▲相手の人 vs. ▽いるか (上側が先手です.)

 
私が後手です。相手の方は24で2500後半~2700くらいの方。居飛車党で、四間飛車穴熊には、普通の居飛穴にはせず、銀冠か銀冠穴熊に組んでくるイメージがあります。
 
15手目 
 予想通り持久戦模様に。おそらく▲78銀となるでしょう。
 
16手目 
 前回も言ったかもしれませんが、地味に大事な1手。これを忘れて△82玉などとすると、すかさず▲68角と引かれて苦戦。細かいことは気にせず、とにかく相手が角を上がったらこっちも銀を上がるという呼吸で行きたい。
 
23手目
 予想通り▲78銀。ここから▲86歩から銀冠はほぼ確実ですが、前回述べた通りノーマル銀冠か銀冠穴熊では展開が大きく異なってくるので、相手の様子はまだまだ注目しなければいけない。
 24手目以降の後手の、△46歩~36歩~47金~39金 は相手がどちらのタイプであっても対応できるのでとりあえずこの形を組んで様子見。ちなみに、△56銀は相手が銀冠穴熊ならば損ではないが、ノーマル銀冠憎まれた際は、少し動きにくくなってしまう印象があるので、自分は基本43の銀はぎりぎりまで保留するようにしています。
 
33手目 
 先手は▲66歩と陣形の整備を進めました。自然な1手に見えますが、これは結構この試合の方向性を決める重要な1手です。角道を止めるということはノーマル
銀冠で戦うという意思表示だと思ってもいいかもしれません。理由としては、銀冠穴熊に組む際66歩をついてしまうと53の銀が取り残されやすくなってしまう点や、7筋に飛車を転換して角頭を狙われた際に、受けにくくなってしまう点(66銀とできない。)からメリットが少ないためです。
 ということで、ノーマル銀冠ということが大体決定しましたが、それはそれで攻め方をしっかり考えなければいけません。安易に△72飛から攻めようとしても43の銀を攻めに使いにくい点や76の地点が固い点からあまりうまくいかないイメージです。対ノーマル銀冠の攻め方の一例としましては、本譜のような相手が▲66歩と角道を止めた瞬間にすかさず△45歩~△44銀という攻めの形を作るという手段です。無条件で△45歩△44銀(△54歩)の形が作れたら作戦勝ちなのではないかと自分は考えています。
まぁとにかく、対穴熊の時とは違って、ノーマル銀冠に対しては手厚い攻めをしないと、簡単に攻めを余されてしまうので攻めることや、攻めの形を作ることに関しては注意が必要です。その時点で勝負が決まる恐れすらあります。
 
34手目
 だらだらと書きましたが、とにかく理想形を目指し△45歩と突きました。
ここで先手が▲67金右みたいな手なら、△44銀と上がって振り飛車十分でしょう。
 
35手目~
 ▲65歩と早速反発してきました。知らない人だと驚きそうな手ですが、おそらくここは反発する1手です。居飛車としても45歩44銀の形に組まれてはいけませんので。角交換する手もあるかもしれませんが、ここは定跡に則り、△44銀と角交換を拒否しつつ攻めの形を整える。
 
以下、駒組が少し続く。
 
44手目
 今相手が▲98玉と寄った局面。
非常に悩ましいですね。どこから攻めていいかわかりません。
ちなみに、ここで1番やってはいけない手は△54歩です。すかさず▲35歩と突かれると将棋が終わります。(同歩は34歩、同銀は33角成~53角。)△54歩と5筋を絡めて攻める場合、一度63金と形を整える必要があります。(前述の53角がない)
もちろん、この局面で△63金~△54歩~△55歩の攻めもあると思います。
他には、△94歩などもありますかね?直前の▲98玉を咎めるならばこの手もありそうです。
 
自分は△62飛と回ってみました。あまりやったことはない攻め方その場で咄嗟に思いついてやりました。
 
53手目 
 金を変なところに追いやってまぁ悪くないだろうという気分でしたが、この局面も意外とやる手が難しい。△74金と行ければ話は早いのですが、▲34歩で無理そうだと判断しました。
 
62手目
 先手が金取りに飛車を味よく回った局面。なんとなく将来28角から自陣に馬を引き付ける含みを持たして△65歩と打ちましたが、本譜の進行を見ると明らかに△64歩と打ったほうがお得でした。残念。
 
65手目
 相手は▲76歩と打ちましたが、おそらく▲77桂としたほうがよかったですかね。
 本譜は悪いながらも△85歩で勝負形だと思いました。玉頭戦は得意なので。
 
74手目
 △54角と攻防の位置に角を据えることができてだいぶ勝負できる形になってきたかという局面。この手に対し相手は▲62飛成と切り飛ばしましたが、相当脅威だった飛車がきえさったので、勝負はわからなくなりました。
 
82手目
 居飛車切れ模様か・・?
 
84手目
 ▲55歩に対して、どこに角を引くかという問題ですが、攻めを重視するならば、△32角でしょうが、このラインに角を据えていたところで実際攻めれるわけではないので、ここは手堅く受けに回って△76桂などの確実な攻めを目指すのがよいだろうという判断により、△72角と引きました。この形意外とスキがなく硬いですね。
 
91手目
 ▲34飛で、完全にこっちがよくなったと思いました。シンプルに△74桂で受けが難しく、それこそ寄り筋なのではと。
 
95手目
 手が広いところですが、自陣は鉄壁なので、絶対にキレない攻めをすることが大切だと思い、べたっと△67金。スマートではないですが、確実ではある。
 
以下は無事寄せ切り勝利。
 
 
【総評】
個人的に、結構嫌なノーマル銀冠の一線でした。細かい手順の前後はありましたが定跡に近い形をなぞる勝負でした。今回は44手目△62飛が変化の1手で、その場の思い付きではありましたが、まずまずの戦いだったのではないでしょうか?
しかし、35の銀や33の桂が完全に遊んでしまっている点などまだまだ改良点はありそうです。
一応、今回のこの変化をソフトに聞いてみたところ62飛のところは500点ほど悪いそうです(笑)まぁ、四間飛車穴熊に組んだ時点で200~300悪いと認定されてしまうような戦法なのでー500くらいは誤差です。人間相手であればなんとかなりますね。銀冠にはコレ!という決定的な対策を持っていないため、ぜひ見つけていきたいです。
 
 
今回はこの辺で。読んでくれた方ありがとうございました。
 
いるか
 
 
 
 
 
 
 
 
 

四間飛車穴熊 自戦記No.1 対銀冠穴熊

こんばんわ(#^^#)

 

現在、四間飛車穴熊の方はお勉強中なのでもうしばらくお待ちください。

 

今回は代わりに自戦記を書いていきます。

 


 それがこちら。24での対局。

 

相手は2700くらいの方。先手(手前)がいるかです。

手数と思ったことを書いていっているので、見ずらいですがコメントを見ながら進めていただけたら幸いです。

 

▲いるか

 
16手目
 △33角で持久戦模様の将棋となりました。
 
18手目
 △53銀でしたが、ここで△85歩だったら注意が必要で▲67銀と上がる手を忘れないようにしないといけません。仮に△85歩に▲19玉などと進めますと、すかさず△42角とひかれて8筋突破が受からなくなります。まぁそうなってもまだやれる手順はあるのですが、わざわざ選ぶ手順ではないので基本、居飛車側の33角には67銀と上がった方が無難です。なら忘れないように最初から67に上がっておけば・・・?というかもしれませんが、78銀で待機する形には意味があって、急戦で来られた時に受けやすいという利点があります。早くに67銀と上がってしまうと急戦で来られた時に不利な戦いとなる変化があります。
 
22手目
 △22銀は珍しい手ですが、銀冠に組む場合によくある形です。勝手な印象ですが22銀~24歩~23銀の組み方をしてくるタイプは、その流れで銀冠穴熊にしてくるケースが多いように感じられます。(気のせいかもしれない)
今回は、どうでしょう・・・?
 
30手目
 △42金寄を見て銀冠穴熊が濃厚となりました。
普通の銀冠にせよ、銀冠穴熊にせよ四間飛車穴熊側は、46歩・36歩・47金という形の穴熊に組むのが有効です。38飛から角頭を攻める手を含みにします。
ノーマル銀冠と銀冠穴熊では戦い方が少し違うので注意が必要です。
 ノーマル銀冠には、基本の考え方として65歩66銀という形を目指すことになります。その後は56歩~55歩という風にして攻めていきます。この形に問題なく組めた場合大概振り飛車穴熊側が作戦勝ちとなります。
 一方、銀冠穴熊に対しては、居飛車側が角の利きを止める展開になりにくいので、65歩と突くチャンスがなかなか来ません。そのため、四間飛車穴熊は38飛と回って角頭攻めを目指すこととなります。ノーマル銀冠の場合は、44歩~43金と角頭を強化する展開になるため38飛のような攻めは成功しにくいですが、銀冠穴熊は32金42金という形のため、角頭が弱点となりやすく、38飛が有効というわけです。
 
39手目
 普通に1歩交換をしました。ここで居飛車側はいろいろな手がありますね。31金寄・34歩・44銀などどれも無難で互角ですね。
 しかし本譜は積極的に24歩と仕掛けてきました。
 
41手目
 同歩・同角どちらもありそうでしたが、同角が銀に当たって、△44銀▲45飛△52金▲45歩△55銀▲77桂で41の金が浮いているうちに戦いにしてしまおうということで同角と取りました。
 
44手目
 おそらく無難に△52金が勝るような気がします。
しかし相手は強い方なので△52金には、なにか自分の見えていない嫌な順があったのかもしれません。手が見えすぎるからこその1手なんですかね・・・?
 
49手目
 飛車を成ってさすがにいいかと思って冷静に読んでみると普通にまだまだ難しい。次に△89飛成~△35桂はうるさいですし、その展開はこっちに攻めの番が回らずに押し切られそうです。一目▲77桂と逃げたいですが、そこで△38歩とたたかれる手が厳しそうです。
74角という龍金両取りの筋もあり、先に飛車はなったものの結構忙しい局面だと気づきました。
 いろいろ考えた結果、攻め合いを目指した▲56角と打ちました。△61龍▲31金寄△56角もありそうですが、手順に金を締められるので見送りました。
 
52手目
 △89飛成に対して、バッサリと▲23角成が狙っていた手。相手陣を一気に乱すことに成功しました。相穴熊戦では角をうまく金駒に代えてしまうことが大切ですね。
特に相手の穴熊を形成している金駒ならば効果は絶大です。
角と金駒を交換した方がいい理由としては
 ①相手の陣形を乱すことができる
 ②金駒を持つことで自陣に埋めることができる
 ③相手の持ち駒の角は受けに使いにくい
この辺が考えられます。
まさに本譜は①~③がすべてそろいました。
 
54手目
 △32角と打つようでは辛い。
以下、▲44龍と自然に駒を補充して優勢。
 
63手目
 △49角と打たれた局面
攻めるならば、▲15桂や▲33歩がありますが、自分はここまで来たら絶対勝ちたいので手堅く▲39銀打と固めました。以下、△38角成▲同銀引の局面は鉄壁で手も付きにくい形となりはっきり優勢になりました。
 
69手目
 相手は仕方がないので△37歩~△47金と絡みつきますが、ここで今回2度目の▲56角が決めてです。
△37金ならば▲89角と飛車の方を取って受け切り体制です。そのため、仕方なく、△39龍と切りますが、丁寧に対応して、73手目▲37同桂の局面は受けきりが濃厚となりました。居飛車も33や22に駒を埋めることはできますがそれには28銀打ちと1回穴熊を安定させてからじっくり攻めようと考えていました。
 
75手目
 △36銀に対しては、▲28銀打ちを手堅く手堅く指していきます。以下△47銀打ちと絡みついてきますがここで、▲23角成とバッサリ切って▲35桂で勝勢です。
 
84手目
 ▲32金に22金打と千日手模様で粘りますが、▲43角が決め手。△32金▲同角成△28金▲31金となり、以下△32金▲同金となると持ち駒に金がなく受けがなくなってしまいます。
そのため、31金の局面で投了となりました。
 
 

 
2700代に勝ったのは初めてで、最後の方は絶対勝ちたいという気持ちで手堅く指しました。最短できれいな勝ち方はあったのでしょうが、自分らしい将棋が指せました。
個人的ポイントは▲56角~▲23角成だと思います。穴熊を薄くして実践的に振り飛車が勝ちやすい展開になったのではないでしょうか?
その後の△32角がイマイチで、△14角と打たれたら結構迷う局面でした。
なにはともあれ勝ててよかったです。
 
気になることなどがあれば気軽にコメントどーぞ(#^^#)
 
 いるか